先日おこなった気密測定の様子です。 当社では全棟気密測定を必ず行って おりますが、この日もお施主様立ち会いのもと確認して頂きました。 結果はC値0.2でした。
そちらの模様はInstagramにて動画配信していますのでご覧下さい。
【高気密高断熱とは】
高気密高断熱とは、字のごとく気密性が高く断熱性が高いという意味で、住宅における気密性とは室内外の空気の出入りの量の少なさ、断熱性とは室内外の温度の出入りの量の小ささのことです。
これら2つの性能を高いレベルで実現した住宅を高気密高断熱住宅と呼んでいます。
気密性能はC値、断熱性能はUA値と言う指標が用いられます。意味は次の通りです。
C値について
相当隙間面積と言い、単位は(cm2/m2)。建物全体の隙間面積(cm2)を延床面積(m2)で割った値です。つまり、1m2当りの隙間の面積。値が小さいほど気密性が高く、建物内外の空気の出入りが少ないことになります。
最新の省エネ法ではC値が姿を消しているので、公的な指標としては平成11年の次世代省エネ基準C値5.0(北海道以外)・・・と言いたいところですが、現在の業界水準から見るとかなりレベルの低い数値であるため、最低でもC値2.0を切る事が高気密と言える目安と考えます。
UA値について
外皮平均熱貫流率と言い、単位は(W/m2K)。外皮とは床、外壁、屋根(天井)や開口部(窓、玄関等のドア)など室内外を隔てる部位のことで、その外皮から外部へ逃げる熱量(W/K)を外皮面積(m2)で割った値です。つまり、1m2当りから出入りする熱量(m2)ですね。値が小さいほど断熱性が高く、建物内外の熱の出入りが小さいことになります。
最新の省エネ法による愛知県、静岡県を含む地域区分のUA値は0.87。しかし、最近では近年耳にする事が増えた、ZEH基準によるUA値0.6が目安となります。
【高気密高断熱住宅のメリット】
1 冬でも暖かい
2 健康に過ごせる
3 安心して暮らせる
4 家計に優しい
メリットについては簡単に言えば上記の通りですからあまり話をしなくてもお勉強されている方ならばわかるので省かせて頂きます。今回はあえてデメリットのお話をします。
【高気密高断熱住宅のデメリット】
快適性、健康面、金銭面で様々なメリットがある高気密高断熱住宅ですが、果たしてデメリットはどうなのでしょうか?
1.高い施工品質が求められるが、その目を養いにくい
当然ですが、高気密高断熱にする為には、材料や工法だけでは実現できません。そこには、それらの性能を最大限活かす知識、技術、配慮のある建築業者である事が求められます。
例えば、外壁内に充填する断熱材を隙間なく設置する、各種の継ぎ目(ホード同士や床と間仕切壁、サッシと壁の継ぎ目など)に所定の気密処理を施すなどです。これらは、実際に見てみると、膨大な量にも関わらず、小さな事なので「たったそれくらい。」と思われそうな仕事です。しかし、決して建て主には分かってもらえなさそうな事の積み重ねを地道に実施できる建築会社でなければ、きちんとした高気密高断熱の性能は発揮できません。
そして、極めつけは例え工事現場を見たところで、本当に高気密高断熱工事がきちんと実施されているのかはそれなりの知識、経験が必要で、一般の方には建築業者の良し悪しは判断しづらいと言う現実です。
2.コストが掛かる
これもまた当然ですが、高気密高断熱仕様とする為の材料や工法は、材料自体の価格や工事費が高くなりがちです。
3. 結露リスクを逆に高める場合がある
実は、建物を高断熱化すると、家中を一定の温度に保ちやすくなりますが、冬季の場合より多くの湿気を保持できることになります。ここで、気密性が悪い場合、この空気が室内の隙間から外壁の内部や天井裏、あるいは床下に漏れ出てしまいます。湿気を気体のまま含んでいた暖かい空気は、漏れ出た外壁内部や天井裏などの冷たい温度によって急激に冷やされ、大量の結露を発生させることになります。結露は長い時間を掛けて、居住者の健康や建物を蝕みます。
これは、そもそも高断熱ではあっても高気密ではない住宅と言えるので、高気密高断熱住宅のデメリットとは言えないかも知れませんが、非常に大切な知識なのでここに揚げました。結果、高断熱だけの家では意味がありません。
住宅は人生で一番高いお買い物ですから、高気密高断熱住宅、高性能住宅を掲げる会社の責任として、購入されるお客様も工事を請け負う会社、それに携わる建築家や設計士さんは共通認識としてしっかりと気密測定はやりましょう。
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